2012/10/12

バスケ新ルール ノーチャージ・セミサークル・エリア2

真上の空間の権利

プレイヤーはコート内で相手チームのプレイヤーの占めていない位置であればどのような位置を占めてもよいことになっています。

また、その占めた位置の真上の空間もそのプレイヤーが占めたものと見なされます。
位置を占めたエリアとその真上の空間をシリンダーと言います




二人のプレイヤーがお互いの位置を占めた時に、自分のシリンダーから外れた空間で触れ合いを起こした場合は、そのシリンダーから外れているプレイヤーに触れ合いの責任があります。



防御側のプレイヤーは自分のシリンダー内で、ジャンプしたり、真上に手や腕を上げていたりして触れ合いが起こっても責任はなく、罰が科せられることはありません。




攻撃側のプレーヤーは正当な位置を占めている防御側のプレイヤーに対して、
腕を使って払いのけたりして、自分に有利な空間を作ってはいけません。
また、シュートの動作中やシュート後に脚や腕を広げて触れ合いを起こすような動作をしてはいけません。



審判は、しっかりとプレイヤーのシリンダーを意識したポジションに位置取り、見極めなければなりません。
特に体のサイズが大きいカテゴリーをジャッジする試合に於いては、プレイヤーやプレイとの距離を十分にとる事が大切です。
リード審判(ゴールに近い位置を占める審判)は、写真のようなビジョンではなく、身体全体とプレイヤーがジャンプする前の位置をしっかり確認にして、お互いのプレイヤーのシリンダーを見極めて判定しましょう。

2012/07/09

バスケ新ルール ノーチャージ・セミサークル・エリア1

新しい項目になります。


コートの変更の中に、ゴールの中心から1.25Mの半円が描かれました。
これをノーチャージ・セミサークル・ライン、ラインより内側をノーチャージ・セミサークル・エリアといいます。


これに伴うルールの追加を説明致します。
新ルールに入る前に、しっかりと触れ合いに関して理解頂けるように各回にわけて、確認していきたいと思います。


今回はシリンダーの概念

第2回真上の空間の権利

第3回リーガル・ガーディング・ポジション

第4回ノーチャージ・セミサークル

について確認します。



シリンダーの概念

プレーヤーがコート上で普通に両足を開いて位置を占めた時に、そのプレーヤーが占めている位置とその真上の空間をシリンダーと言います。
(ノーマル・バスケットボール・ポジション)



前は手を普通に上げた時の手のひらの垂直面

うしろはお尻の垂直面

両脇は腕と脚(足)の外側の垂直面



※写真のようにひじをまげてもよいが、手や脚を前に突き出したり、横に極端に広げたりしてもシリンダーが広がったことになりません。



また両足や両腕の間隔はプレーヤーの身長により異なりますが、極端な広げ方をしてもシリンダーが広がった事にはなりません。



※つまりは審判の主観的なものになります。






主観的なものになるが故に、常に審判はプレーヤーの占めている位置を確認しながら、
トラベリングの軸足や歩数を確認し、時間を計り、触れ合いの責任を確認しなければならないのです。
一つのプレイにフォーカスしすぎず、いかにワイドな視野でプレイを見ながらスペースを求めていくかが良い判定につながることになります。


プレイに近すぎていませんか?
ミニと大学生や一般プレーヤーなど身長差で見るポジションを工夫していますか?




次回は真上の空間の権利について説明いたします。

2012/07/05

バスケ新ルール 24秒ルール3

24秒のルールも最終になります。


24秒ルールが適用された後のスローインの再開位置は、

審判がヴァイオレーションを宣して、ゲームを止めたときにボールがあったところにもっとも近いアウト・オブ・バウンズから行います。






ゴール下に近いケースが多くなりますが、その場合はバックボードの真後ろからのスローインは避けて下さい。





つづいて、


滅多にありませんが、ボールがたまたまリングに挟まったり、乗ってしまった場合です。


これについてはすぐに審判はジャンプ・ボール・シチュエイションの合図をし、
オルタネイティング・ポゼションを確認して、攻撃側にボールを保持する権利があれば、24秒はリセットせずに継続して計ります。


このケースはボールが直接リングに挟まったり、乗ってしまった場合と思ってください。
(バックボードに触れてから直接リングに挟まったり、乗ったりしたケースも同様です)




特異なケース①

ショットされたボールがリングにはずんで跳ね上がって、再び落下してリングに挟まったり、乗ったりした場合は、1度リングにあたって24秒はリセットされていますので例外事項になります。



24秒はリセットされ、オルタネイティング・ポゼション・ルールに基づいたチームにスローインが与えられ再開します。






特異なケース②

ショットされたボールが空中にある間に24秒の合図があり、そののちそのボールが直接リングに挟まったり、乗ったりしてしまった場合は、ポゼション・アローに関係なく24秒ヴァイオレーションが成立します。




24秒はリセットされ、防御側であったチームのあらたなるスローインで再開します。









最後は、


ショットされたボールが空中にある間に24秒の合図があり、そののちにファウルが起こったケースの確認です。



①ファウルの後にボールがバスケットに入ったり、リングに触れた場合は、通常通りファウルの処置をしてゲームを再開します。(24秒ヴァイオレーションは成立しません)





②そのファウルがパーソナル・ファウルであった場合、ボールがリングに入らずリングにも触れなかった場合は24秒ヴァイオレーションが成立したものとして、パーソナル・ファウルはなかったものとします。





③そのファウルがアンスポーツマンライク・ファウル、ディスクォリファイング・ファウル、テクニカル・ファウルであった場合は無かったものとしない。

この場合は24秒ヴァイオレーションは無かったものとなり、決められたファウルの罰則を行って、ゲームを再開します。

2012/07/03

第2回目の講習会のお知らせ


久しぶりのお知らせです。このブログを閲覧の方には先行してご案内致します。
後日、詳細につきましてはお知らせいたします。





好評につき第2回 ルール研修会が、平成24年9月30日(日)に福岡市立福岡女子高等学校にて開催される予定となりました。




前回に引き続いて、招聘される予定の講師の先生はバスケットボールの指導者・審判員がお持ちのバスケットボール競技規則(ルールブック)の翻訳・編纂に関われ、ルールの解釈を一番熟知されている方です。


非常に参考になる研修会です。スケジュールお繰り合わせの上ご参加をお願いいたします。



座学講習でビデオ解説やエピソードを交えながら、ルールのポイントや解釈を学べる研修会となります。


第Ⅰ部、第Ⅱ部の2部構成ですが、前回と同様どちらも関連した内容になっておりますので、どちらかだけでも構いません。


日本公認審判員のみならず、福岡県県公認の方も是非ご参加を推薦致します。




後日、出席者人数の把握の為、ご連絡を頂くことになります。





私も前回参加させて頂きました。サンプルビデオがFIBA ヨーロッパ選手権等のゲームでしたが、非常にわかり易くルールの理解を深めることができました。
項目ごとに、いろいろなケースを何例も紹介しますので判断基準の素材になります。




現場のカテゴリー(ミニ、中学、高校、大学)によっては、適用するかどうかの熟慮が必要ですが、考え方のヒントになることは間違いありません。




スケジュールを調整の上、参加されることを希望いたします。

2012/04/26

バスケ新ルール 24秒ルール2

24秒の変更は前回ご説明しましたが、実際の試合ではいかがですか。


実際は24秒オペレータがしっかり確認してくれれば安心ですが、審判が判断しなければならないこともあるので、常に確認しましょう。



それでは、変更に加えて覚えておいて頂きたいことを整理しましょう。




皆さんが審判をされている時に、誤って24秒が鳴ったりして困ったことはありませんか?

笛を吹いて止めた方がよいのか、そのまま続けさせた方がよいのか迷いますね。






その場合・・・、規則では

基本的には無視します。
無視した場合には24秒オペレータは24秒をリセットして、プレイを続行します。






または「審判がどちらのチームにも関係のない理由でゲームを止めた時」のケースを利用して、1度プレイを止めて24秒または14秒にリセットして再開する方法があります。




このようなケースは、

  • 審判が誤ってリセットされた事にすぐ気付いた時
  • ボールがリングに触れたのに24秒がリセットされなかった時
  • プレイが始まっているのに、24秒計がスタートしていない時
  • コートの床を拭くためにゲームを止めた時
  • 観客がコートに入ってきたりしてゲームを止めた時

などが考えられます。しかしながら、上記の場合でもリセットすることが相手チームに著しく不利になると審判が判断した場合は、24秒は継続して計ります。


※はっきりとわからない場合は、主審が適正と思われる残り時間にセットし直して再開して下さい。




こんな場合もありませんか?


空中にある間に24秒計の合図が鳴り、防御側がリバウンドボールを取ったのに24秒の笛を鳴らしてしまって、気まずくなってしまう・・・なんて。

私も以前そんな笛を吹いてしまった記憶があります。





このように防御側(相手チーム)のプレーヤーがリングに触れなかったボールを明らかに直接コントロールできる場合は、笛を吹かずにプレイを続行させてよいことになっています。


但し、一度床に触れたり、攻撃側(ショットしたチーム)とボールを競り合ったりした場合は、直ちに24秒の笛を吹かなければなりません。




最近では、24秒間近にショットしようとしたボールを防御側がシュートブロックして24秒が鳴るケースもあり、審判はそのようなケースも頭に入れておかなければなりません。

無論、その場合でも防御側がボールをキープできるようであれば、24秒の笛を吹かずにゲームをつづけさせてもよいことになっています。



その感覚が審判がスムーズにプレイを進行させれるテクニックかもしれません。






次回は24秒ルール3として、残りの確認事項、

ファウルや他のヴァイオレーションとの複合するケースを確認したいと思います。


2012/04/07

バスケ新ルール 24秒ルール1

さて、新ルールの適用項目で重要な変更の1つである24秒のルールについて、説明いたします。




説明に入る前に、次の項目が重要なポイントになりますので、先に覚えて頂くことをお勧めします。




  1. そのチームのフロント・コートでのスロー・インについて、24秒を14秒にリセットするケースと継続するケースがある。
  2. 例外で、アンスポーツマンライク・ファウル、テクニカル・ファウル、ディスクォリファイング・ファウルの場合は、フリースローなどの適用の後に24秒にリセットして、センターラインのアウトの位置からスロー・インを行う。



上記の2点が変更の重要点となります。
それでは、説明して参ります。


ゴールの後からの新たなスローイン、またはリバウンドでボールを保持した攻撃側のチームがボールを保持した時点から24秒は始まります。


その攻撃側チームのバック・コート
相手チームのファウルやヴァイオレーションがあった場合、24秒はリセットされます。
(これは今迄通りです)


19秒で起こった場合は24秒にリセット





相手チームに原因があり、プレイを止めた場合も同様。



どちらのチームにも関係ない理由で止めた場合も同様。
(オフィシャル・ミスの場合、または隣のコートからボールが入ってきて、審判が危険を避けるために止めた場合など)














(ここからが変更点です!)
その攻撃側チームのフロント・コートでスロー・インがおこなわれる場合



(1)24秒計が14秒以上の場合は、そのまま継続する


相手チームのファウルやヴァイオレーションが起こっても14秒以上であれば継続する。

⇒ ⇒ 












(2)24秒計が13秒以下の場合は、14秒にリセットする



⇒ ⇒ 










(3)アンスポーツマンライク・ファウル、テクニカル・ファウル、ディスクォリファイング・ファウルの場合は、フリースローなどの適用の後に24秒にリセットして、センターラインのアウトの位置からスロー・インを行う。



センターラインのアウトからのスローインは、フロント・コートからのスロー・インにはあたりません。
何故ならバック・コート側にボールをパスすることもできるスロー・インになるからです。



24秒の変更は以上が新ルールの概要になります。
審判も大変ですが、どちらかといえば24秒オペレータが慣れるまでは大変だと言えます。



審判は止めた24秒計を確認して、リセットか継続かを判断することが重要となりそうです。




次回は24秒ルールで上記以外の確認事項や覚えていていただきたい点を説明致します。

2012/04/05

バスケ新ルール 8秒ルール3

8秒ルールも最後の部分になります。
今回は特異なケースとその他注意して頂きたいことを掲載致します。




先ずは特異なケースですが、
これまで説明してきました8秒ルール1、2を考慮した場合に下記のようなケースが考えられます。





ケース1

バックコートからドリブルしていたプレーヤーが、センターラインを跨いだ味方プレーヤーにパスをしました。


このセンターラインを踏んでいるプレーヤーは左足を軸足にピヴォットをしたとしてもバックパスではありません。バックコート側にドリブルすることもできますし、バックコートの味方にボールを返すこともできます。


但し、8秒は継続中であることは忘れないでください。






ケース2
同様に、センターラインを跨いだプレーヤーにパスをして、パスを受けたプレーヤーがピヴォットで、



右の状態になってしまうと・・・これはフロントコートに進めたことになりますので、8秒ルールは終了となります。
もちろん、ボールをバックコートのプレーヤーに返すことはできませんし、ドリブルをバックコート側に始める事はできません。







ケース3
さて、このケースが厄介なのですが、
同様にセンターラインを跨いだプレーヤーにパスをして、パスを受けたプレーヤーがそのままドリブルを始めた場合、下記の2枚の写真の場合もフロントコートに進めたことになりませんし、






8秒は継続中です。








8秒は継続中です。










下図の状態に(ドリブラーの両足とボールがフロントコートの床に触れた状態)ならない限りはフロントコートに進めたことになりません。






8秒は終了。








上記の3つのケースが考えられますので、特にプレスオフェンスの時にはトレイル・オフィシャルは慌ててフロントコート側に行かないようにお勧めします。





このルールを利用した戦術もこれから出てくることになるでしょうし、日頃からイメージを欠かさないようにして頂きたいとおもいます。






ちなみに空中にボールがある時に8秒ヴァイオレーションが成立した場合には、審判の笛が鳴らされる直前にボールに触れていたプレーヤーのいた所にもっとも近いアウト・オブ・バウンズからスロー・インとなります。



最後に、8秒ルールは審判が独自の責任で数える事になっています。
24秒計のリセットが必ずしも正確でない場合(リバウンドからの保持のリセットなど)がありますので、カウントする習慣をつけて下さい。





以上で8秒ルールに関する総合的な説明は終わります。
継続のケースは特に変更はありませんので、ルールブック等を参照下さい。

2012/02/08

バスケ新ルール 8秒ルール2

8秒ルール2の今回は、ボールがフロントコートに進められた定義を中心に解説していきます。
バックパスのバイオレーションとも関係してきますので、しっかりとプレイをイメージしながら覚えてください。



2012/02/02

バスケ新ルール 8秒ルール1

今回は8秒ルールについて、解説していきたいと思います。
後のバックパスや24秒ルールとの関係も生じてきますので、しっかりご理解下さい。



今回の新ルールでは、8秒を数え始める時機が2つの場合に分けられました。

2012/01/26

ちょっと一息 タイムアウト2

前回は、タイムアウトからなかなかプレーヤーが出てこなかったりの処置を掲載しました。
本日は、昨日のタイムアウト編に加えて、基本的なタイムアウトの流れを復習したいと思います。


2012/01/24

バスケ新ルール タイムアウト1

新ルールの概略も第5回目をむかえました。
今回は第18条タイムアウトに関して、解説していきましょう。
試合中、なかなかその指導、注意、警告に関しては、怠りがちであったり、ついつい見過ごしてしまう場合もあります。緊迫した場面では、どうしてもタイムアウトが長めになってしまうこともあり、しっかり整理して対応して下さい。


2012/01/21

ちょっと一息

今回は新ルールの解説はお休みさせて頂きます。



年明けから中学、高校の県大会に審判させて頂きました。

毎回体調を整え、選手、コーチの期待に応えるべく頑張ったつもりです。

幸い自分の担当の試合ではありませんが、人の振り見て我が振り直すべく他の方々の審判を拝見、勉強させて頂きました。

2012/01/19

バスケ新ルール スローイン

今回は、前回の変更よりさらに変更が追加された項目です。

前回の改正で第4ピリオドまたは延長時限の最後の2分間にタイムアウトが認められた時に、タイムアウトを認められたチームがバックコートからスローインする場合は、センターラインの延長線上から・・・のスローインでしたが

2012/01/16

バスケ新ルール ゴールと点数

今回は、第16条のゴールと点数です。新ルール改正では、新たに追加された項目です。
最近は留学生プレーヤー、外国人プレーヤーなど目にする機会が増え、ダンクショットやタップ、アリウーププレイも珍しくなくなりました。
新ルールではこのようなプレイに備えて、明示された追加規定です。

2012/01/14

バスケ新ルール 競技時間

本日は第8条の競技時間等、第9条のゲーム、ピリオドの開始と終了についての変更を合わせて説明いたします。


2012/01/13

バスケ新ルール ユニフォーム

本年は新ルールに関して、皆さんにわかり易くご理解頂けるように、変更点を一項ずつ掲載していこうと思います。

2012/01/02

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
昨年はいろいろ有りながら、更新が滞りご迷惑をおかけしました。
今年は頑張って更新していきたいと思っております。

昨年末のウインターカップはご覧になりましたか?
地元福岡の福岡第一、福大大濠と宮崎延岡学園と楽しませて頂きました。
今年の高校の勢力図は如何に変わるか興味津々です。

審判では新ルールの変更により、コートデザインが新しく変わり、24秒ルールも変更しています。審判泣かせの変更ですが、今迄の審判法でよいのか?検証していかなければならない部分がありそうです。

そして、3人制審判の実践へと足を踏み入れました管理人も試行錯誤中。
そんな話題を今年は掲載して参りたいと思います。

何気なく皆様に読んで頂き、疑問や課題の一つにでも考えて頂ければ、嬉しい限りです。
どうぞ本年もよろしくお願い致します。