2014/09/18

バスケ ルール塾① アン・スポーツマン・ライク・ファウル その2

アンスポーツマン・ライク・ファウル

規則の精神と目的を逸脱し、ボールに正当にプレイしていないと審判が判断したパーソナル・ファウルである。(身体接触があります


処罰は相手チームに2本のフリースローとその後のスローインが与えられる。



パーソナル・ファウルであっても


①ボールに正当にプレイしなかった

②故意的であった

③触れ合いの程度が激しかった


上記に該当するパーソナル・ファウルに関して、審判が主観的にルールを適用します。



さらに近年、追加されたオートマティックと称されるアンスポーツ・ライク・ファウルがあります。


これは速攻を出そうとする場面で、攻撃側プレーヤーとバスケットの間に防御側プレイヤーが一人も居ない状況で、阻止しようと防御側が攻撃側プレイヤーの後ろや横から接触を起こすと自動的に(オートマティック)アンスポーツマン・ライク・ファウルを適用するルールです。


この場合、触れ合いの程度は関係ありません。




オン・ザ・コートの審判としては


ゲーム・コントロールをしっかり考えて、適用することを考えていただきたいと思います。

流れの中で、うっかり触れ合ってしまったのか?
故意的に触れ合いを起こしたのか?
触れ合いはあったけど、攻撃側プレイヤーは関せずプレイを続け、得点が決まりそうなのか?
アンスポーツマンと判断して攻撃側プレイヤーがプレイをやめてしまったのか?
様々なその後の状況が起こるはずです。


さらにオートマティックの条件(攻撃側プレーヤーとバスケットの間に防御側プレイヤーが一人も居ない状況)には当たらないけれど、

激しい触れ合いを起こしてしまった場合、
相手を掴んでしまった場合
などもアンスポーツマン・ライクファウルを適用した方がスムーズなケースが多々あります。



試合の流れを感じ取り、適用することがよい判定に繋がります。




その他のアンスポーツマン・ライク・ファウルのケースとしては、


EX・・・・防御側に囲まれて、必要以上に肘を振り回して、危険な接触を起こすケース

EX・・・・ボールを持っていないプレイヤーを掴んだり、押したりするケース

EX・・・・相手のプレイヤーのユニフォームを激しく掴むケース



様々なケースを参考としてあげましたが、ルールの精神に基づいて最初の①、②、③の要件で判定を下すことが大切です。




補足ですが、以下の2点をルールとして関連して覚えておきましょう。


関連①・・・1人のプレイヤーにアンスポーツマン・ライク・ファウルが2回記録された場合、そのプレイヤーは失格、退場となります。但し、失格、退場の罰則はアンスポーツマン・ライク・ファウルの罰則だけ適用します


関連②・・・第1ピリオドが始まる前にアンスポーツマン・ライク・ファウルが適用された場合は、フリースローのみ行い、センター・サークルでのジャンプボールで第1ピリオドを開始します



次回はアンスポーツマン・ライク・ファウルの特殊な適用ケースについて、ご紹介します。

2014/09/06

バスケ ルール塾① アン・スポーツマン・ライク・ファウル その1

新しい企画として始めますバスケ ルール塾です。

このルール塾では、バスケの審判に従事している方、これから審判を目指す方、興味のある方に少しでも理解と興味を持っていただくために掲載してまいります。

新しいルールや特に迷ってしまうルールについて、テーマを選んで複数回に分けて説明致します。



さらに詳しく知りたい方はルール・ブックを購入して下さい。

ルール・ブックは(公財)日本バスケットボール協会の通販か、
お住まいの地区のバスケットボール協会、
日本公認審判員、
バスケットボール部顧問の先生等にお問い合わせ下さい。


またこのブログについて、協会は一切関与いたしません。
個人的なブログとして掲載しておりますので、ご了承下さい。



★★★ ルール塾 開講 ★★★


第①回目のテーマは「その他のファウル」に分類されるアン・スポーツマン・ライク・ファウル


バスケットボールというスポーツを楽しむ時、そのプレーヤーを含めてコーチ、その他関係者はスポーツマン精神とフェアプレイの精神を尊重しなければなりません。

プレイ中に起こってしまうファウル(反則)は「パーソナル・ファウル」、
フェアプレイ精神から逸脱したプレイに対する特別なファウルを「その他のファウル」と分類しています。



本題に入る前に、上記のフェアプレイの精神に反するファウルその他のファウルを簡単に説明します。



■その他のファウル(フェアプレイ精神に反するファウル)

・ノーマル・バスケットボール・プレイでは無く、フェアプレイ精神を問われる反則

 テクニカル・ファウル・・・・身体接触が無い

 アン・スポーツマン・ライク・ファウル・・・身体接触がある

 ディスクォリファイング・ファウル・・・特に悪質なもの、ワザと怪我をさせるような危険な接触がある、その他コーチの反則の累積など

 ファイティング・・・暴力行為によるもの



熱戦になるゲーム展開ではプレイヤー、ベンチ共に気持ちが高ぶり、フェアプレイ精神を逸脱して過剰な行為を起こすことがあります。
この行為で試合に支障を起こした場合に対して、ルールでは上記の4つを特別なファウルとしています。


◎判定のポイント

①ボールに正当にプレイをしていますか?

②スポーツマン精神とフェアプレイの精神を逸脱している行為ですか?

③身体接触はありますか?ありませんか?


①、②、③を判断基準として、それぞれの「その他のファウル」を適用します。

例外ですが、試合開始前やインターバル中(休憩・ハーフタイム、他)に起こった反則行為にも適用されます。




次回はアン・スポーツマン・ライク・ファウルを詳しく掲載します。

2014/09/02

閲覧有難うございます

このブログを何回も閲覧して頂き、有難うございます。

ルールの確認、変更事項などいろいろな審判に関するテーマを主に掲載して参りました。

これについては今後も継続させて頂きたいと思います。

加えて、今秋より各ルールの項目に関して、オン・ザ・コートでの適用や留意点など、ちょっと審判員として知っておいた方がためになるような情報を掲載して行きたいと思っております。

試合・大会スケジュールや行事等で不定期になりますが、楽しみにお待ち下さい。

今月中には、テーマを決めて始動します。


来月は日本公認審判審査会です。

これから日本公認審判員を目指す方、受験される方、頑張って下さい。

2014/08/28

2014 ルール・マニュアル問題傾向

 2014年度 福岡県の日本公認審査試験例題集を福岡市バスケットボール協会 審判委員会HPにて公開しています。
 日本公認試験をめざす県公認審判員の方、将来受験される方はダウンロードして、トライしてみてください。
ルールブックを片手にいつも確認して、ルールに精通しましょう。

福岡市バスケットボール協会 審判委員会HP

2014/05/24

2015 ルール改正について(2):平成27年度採用予定

(1)に続き

3 24秒ルールの修正

(新)ボールがリングに触れたのちに、攻撃側のプレーヤーがそのリバウンドのボールを取った場合は14秒にリセットして計り始める

(旧)ボールがリングに触れたのちに、攻撃側のプレーヤーがそのリバウンドのボールを取った場合は24秒にリセットして計り始める


※器具(24秒計)の仕様により、ルールの実施が遅れる可能性があります

これは他のルール変更と同様にゲームをスピーディーにして、攻撃やショットの機会を増やすための変更です。またこの変更は14秒リセットルールが採用された頃から考えられたルールではありましたが、器具の技術的要因や試合進行の大きな変更であったために見送られた変更でした。


その他情報
24秒以内にショットしたボールがリングに触れなかったケースなどは今まで通りのルール適用となります。

シュートではなく、パスがリングに触れたケースなど14秒にリセット?24秒にリセット?等の変更の詳細は、今後の発表をお待ちください。




4 テクニカル・ファウル その1

(新)テクニカル・ファウルの罰則は、フリースロー1本とスローイン(ボール保持)
変更になるのはフリースローの数だけ

(旧)テクニカル・ファウルの罰則は、フリースロー2本とスローイン(ボール保持)

※コーチに対するテクニカル・ファウルも同様にフリースロー1本とスローインとなります


この変更は、触れ合いの責任のあるアンスポーツマンライク・ファウルとの罰則のバランスを考えた採用となりました。




5 テクニカル・ファウル その2

(新)テクニカル・ファウルを2回宣せられたプレーヤーは退場となる

(旧)テクニカル・ファウルを2回宣せられたプレーヤーに退場の規定はない


1度テクニカル・ファウルを宣せられているにも関わらず、スポーツマンシップ、フェア・プレイの精神を逸脱したプレーヤーにはより重い罰則を加える為に変更となりました。


※テクニカル・ファウルとアンスポーツマンライク・ファウルは別の種類の異なるファウルとみなす
※その他テクニカル・ファウルに関する項目に変更はありません



以上、5項目に渡りご紹介しました。器具類の関係で実施が遅れる場合もありますし、すぐに適用されるであろうルールの変更もあります。正式発表はまだ先になりますが、それに対応できるように早めに練習、対策を試みてください。

審判員の皆さん、ルール・ブックを必ず確認、熟読して、コートで力を発揮していただきたいと思います。



ルールや審判に関することがありましたら、掲載致します。たまに覗いてみて下さい。


お知らせ
8月の初旬にTO講習会を計画しております。
対象は高校生、バスケット顧問の先生ですが、見学、受講も一部可能となるかもしれませんので、その際はご案内いたします。

2014/05/19

2015 ルール改正について(1):平成27年度採用予定

2014年 世界選手権が各カテゴリー(U-17、U-18他)で開催されます。
この時、必ずルール委員会が開かれ、協議されるのがルールの改正・追加です。
2014年も一部ルールの改正や追加修正が行なわれます。

今回のブログでは、変更が予定されているものを2回に分けて、ご紹介させていただきます。
分かりやすく解説しますので、なんとなくご理解頂けたらと思います。
また正式に発表の後、ルールブックをご参照下さい。

何分、2014年10月よりの採用ですので、今後の各国の導入、実施時期に関しては当該の協会情報を閲覧していただきたいと思います。


■バスケットボール競技規則変更点の概略(FIBA 2014.10~)

1 ノー・チャージ・セミサークル・ルール

(新)ノー・チャージ・セミサークルのラインはエリアに含む

(旧)ノーチャージ・セミサークルのラインはエリアに含まない

※但し、両足?片足・について適用の詳細は今後の発表をお待ち下さい

ノー・チャージ・セミサークル・ルールが作られた理由は、オフェンスにゴールを積極的に試みさせるためとそのプレイを行なう選手を守る(保護する)という要素の意味合いがあります。

旧規定では指導者はプレーヤーに「ラインを踏んで守りなさい」や「ラインを目処にヘルプ・ポジションを取りなさい」と指導されたことでしょう。
ラインを踏んでいる状態では触れ合いの責任が違っていましたので、この変更によりディフェンス・プレーヤーは、さらに早くエリア前でヘルプ・ポジションを取ること、エリア内で触れ合いを避けることを余儀なくされそうです。

審判はラインを踏んでしまっていたら、エリア内であるということになりますから、判定が僅かですが容易になるかもしれません。
逆に片足OK?または両足OK?というケースで、判定の違いがでるということになると難しくなるかもしれません。・・・・困りますね・・・・。

正式な発表を待ちましょう。



2 タイム・アウト

(新)第4ピリオドの最後の2分間は、各チームのタイム・アウトは2回までしか認められない(後半に3回のタイムアウトを認める規定に変更なし)

(旧)第4ピリオドの最後の2分間にタイム・アウトの回数の制限はない(後半に3回のタイムアウトが認められる)


※つまり、第4ピリオドの最後の2分間にタイム・アウトが3回残っていたとしても2回しか使えないということになります


この規定は、ゲームの終盤に度重なる試合の中断を回避するために回数制限を設けた様です。
接戦では残り30秒の間で、頻繁にタイム・アウトの応酬ということがよく見られますよね。

FIBAはかねてより、スムーズでスピーディーなゲーム進行のために数々のルール変更を行なってきました。
・ショットクロック30秒ルールから24秒ルールへの変更
・バックコートの10秒ルールから8秒ルールへの変更
・24秒ルールの14秒リセットへの変更(さらに変更予定) 等々

他の競技も同様に観客をひきつけるために、アグレッシブでスピーディーなルールへと変更がなされており、それに追随したものと思われます。

監督・指導者、競技者としては1点を争う大事な局面でのことですので、大きな改正ということになりそうです。

審判員の皆さんは両チームのタイム・アウトの回数を覚えて、コートでジャッジされてることでしょう。
さらに第4ピリオドの新たな規定で、より回数をしっかり管理しなければならないことになりそうです。

※上記の第4ピリオドの最後の2分間の回数変更規定以外に、タイム・アウトの規定変更はありません


次回は24秒ルールの変更、テクニカル・ファウルの変更について掲載いたします。