2011/06/07

歩み その1

審判の話をしていく前に、バスケットボールの歩みを少し話しましょう。



その中でバスケのルールがどのように変わってきたか、審判のヒントになるかもしれません。





バスケットボールの起源は1891年といわれています。ちょうど120年前ということになります。
場所はアメリカのマサチューセッツ州スプリングフィールドにさかのぼります。


フットボールのコーチで体育指導者だったジェイムス・ネイスミス博士が考案したとされています。冬季の屋内スポーツとして考えられました。当初は5つの原則を中心に基本的なルールが考案されました。

  1. ゲームは丸いボールを手で扱ってプレイされること
  2. プレーヤーは、ボールを持ったまま走ってはいけないこと
  3. プレーヤーはいつでもコート上の任意の位置を占められること
  4. プレーヤー同士のからだの触れ合いがないこと
  5. ゴール(バスケット)はコート上の空間に水平に設置されること

博士はゴールの代わりに桃を入れる木製の籠を体育館ホールのバルコニーに取り付けました。
このバルコニーの高さが極めて理想的な10フィート(3.05m)だったことで、現在まで変わることなく採用されています。


この時、バスケットをするプレーヤーのことをCAGER(籠の人)といわれるようになりました。どこかで耳にしたことがありませんか。


もちろん今のようにネット素材でボールが通過するようになどなっていません。籠には底があり、ボールが入ったら取り出すようになっていました。


たいへん学生には好評でしたが、次第にいろいろなアクシデントが起こり始めたので、博士は13項目の基本ルールを作りました。その実物13項目のルールブックの原書がニューヨークのサザビーズで競売にかけられ約430万ドル(約3億7000万円)で落札されました。 


当時のバスケットはラインもはっきり決められておらず、体育館一面がコートだったり、バルコニーに昇る梯子にのってゴールに入れたりと、もちろんドリブルも考案されておらず、どんなものだったんでしょう。


次回は基本13のルールを簡単に紹介します。
今のルールの原点となるものですから、ちょっと比べてみてください。